TOKYO, Mar 25, 2022 - (JCN Newswire) -  株式会社日立製作所(以下、日立)と米国のユタ大学(University of Utah Health)、米国のレーゲンストリーフ研究所(Regenstrief Institute, Inc.)は、複数の治療薬の併用などの複雑な治療を要する 2 型糖尿病患者の治療薬選択を支援する AI を開発しました。

世界の成人の 10 人に 1 人が 2 型糖尿病と診断されていますが、重症化に伴う視力低下や腎臓病などの合併症を防ぐため、一部の患者は複数の治療薬を併用して血糖値をコントロールする必要があります。従来、医師はそのような患者に対して、過去の経験など限られた知見から患者に適した治療を行う必要がありました。AI で治療薬選択を支援するためには、患者のデータを増やし学習させる必要がありますが、複数の医療機関の患者データを組み合わせるには、AI の専門知識と、複雑な医療データを用いた機械学習モデルの開発に関する幅広い経験が必要でした。

今回、3 者は、ユタ州とインディアナ州の電子カルテデータを横断的に分析し、体重、検査値、治療薬などの病態が類似する患者の治療パターンを抽出して学習することが可能な AI を開発し、実証を行いました。データが少なく従来は AI の適用が困難だった患者に対しても、病態が類似する過去の患者の治療経過をもとに、服用する治療薬ごとの治療効果を予測します*1。本技術により、適切な治療の提案が可能となり、患者に合わせた個別化医療を支援します。

なお、本成果の一部は、医学論文誌「Journal of Biomedical Informatics」に掲載しています。

今後の展望

3 者は引き続き本技術の効果実証を行うとともに、ヘルスケアインフォマティクスのさらなる研究を通じて、患者への適切な医療サービスの提供に貢献していきます。

日立は、ヘルスケアや IT の事業部門と研究開発グループが共同で、本技術の実用化も含めた取り組みを加速します。また、昨年日立グループの一員となった GlobalLogic 社は、米国でヘルスケア関連プロジェクトを推進しており、当分野での連携も深めていきます。これらを通じ、日立グループ全体で人びとの安心・安全に貢献していきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/03/0325a.pdf

日立製作所について

日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。 https://www.hitachi.co.jp/

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