TOKYO, Apr 13, 2022 - (JCN Newswire) -  株式会社日立製作所(以下、日立)は、製造業における属人的な業務ノウハウをデジタル化するとともに、既存システムに散在するデータを統合的に管理して、業務遂行に必要な一連の情報を適切なタイミングでユーザーに自動提供する情報一元管理プラットフォーム「WIGARES(ウィガレス)」*1を本日から販売開始します。

「WIGARES」を活用することで、大幅な業務効率化を実現するとともに、熟練者の暗黙知をデジタル化・共有化することで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に貢献します。

業務ノウハウのデジタル化・統合管理には、日立が開発した「構造化情報一元管理技術(以下、SIMT)*2」を活用することで、複数システムやファイルサーバー内に散在する情報に識別子(構造化ID)を付与して構造化し、集約して蓄積、共有、再利用ができるナレッジベース*3を構築します。さらに、それらの情報同士の関係性(関係リンク)を業務ベースで定義することにより、複数システムにまたがる複雑な業務ノウハウのデジタル化が可能です。

なお、日立は、2021年12月から、国内の大手製造業において「WIGARES」の実証実験を行ってきました。その結果、設備トラブル発生の兆候を捉えた際に、処置判断に必要となるマニュアル、設計図書、保守情報などのデータが格納されている各システムから自動で取得し、それらデータの参照手順とともにユーザーへプッシュ通知するといった高い実用性を確認しています。

今後、日立は「WIGARES」をLumada*4ソリューションとして国内の製造業に幅広く提供するとともに、クラウド対応*5や異常発生時の自動運転制御などの機能を拡充していく予定です。また、日立のデジタルソリューションと「WIGARES」を連携させることで、CPS*6の構築によるプラント操業自動化の実現をめざします。これにより、お客さまの事業価値の向上およびレジリエンス(企業の事業継続性)の追求を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。

背景

近年、製造業では、生産年齢人口の減少による労働力不足、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大により、デジタル技術を活用した機械化・自動化が求められています。企業ではデータの収集・蓄積の環境が整備されてきましたが、システムとそれを活用する人との間に潜在する業務ノウハウのデジタル化は進んでおらず、DXの実現を妨げる要因の一つとなっています。

一方で、製造業では以前から、熟練者の技能伝承などの課題に対して、業務手順のマニュアル化や新システムの導入・書類の電子化によるデータの整理などに取り組んできました。しかし、「どの情報が必要で、それらの情報がどのシステムに保管され、どの順序で参照すれば業務が遂行できるのか」といった業務ノウハウの部分については属人化しており、組織として有効に共有・活用できていないのが実態です。

こうしたニーズに対応するため、日立では、属人的な業務ノウハウのデジタル化を実現し、必要な情報をユーザーに自動提供するプラットフォームとして「WIGARES」を開発しました。

「WIGARES」の概要

「構造化ID」「関係リンク」「自己学習」の3つのコア技術により業務ノウハウのデジタル化を実現します。

業務オペレーションで取り扱うシステム(DCS*7、MES*8、設備管理システム、予兆検知システム、ファイルサーバーなど)が持つ各データ(計装の信号情報、アラーム・イベント情報、CSVや表ファイルのレコード、文書ファイルなど)に「構造化ID」と呼ばれる識別子を付与することにより、データの意味合いを定義します。合わせて、この「構造化ID」を業務シーンに結び付けて定義する「関係リンク」により、業務ノウハウをデジタル化することが可能となります。「構造化ID」と「関係リンク」が定義されていることにより、ユーザーは、「業務Xを行うためには業務情報A・B・Cが必要で、A->B->Cの順番でデータを参照し業務を遂行する必要がある」といった迅速な通知とそれらのデータを「WIGARES」から自動で取得できます。また、「関係リンク」が登録されていない事象に対して業務を行う場合は、「WIGARES」上の検索機能を使い、「構造化ID」が付与されている任意のデータを検索することが可能です。加えて、「自己学習」機能により、検索結果から自動で「関係リンク」を定義できるため、次に同一業務を行う際には、検索することなく必要な情報を参照することが可能になります。

「WIGARES」の主な特長

(1) SIMTにより、お客さまの既存システムを「WIGARES」と連携するのみで、それらのデータを集約したナレッジベースを構築することが可能です。
(2) アラームやイベント、故障予兆などの事象発生をトリガーとして、関連する業務情報をユーザーにプッシュ通知するため、必要なデータを適切なタイミングで参照しながら業務を行えます。
(3) ユーザーごとのニーズに応じた情報の提供が可能です。
- 経営者 : 運転効率分析、アラーム対処状況管理表など
- 製造部門 : 運転データ、運転操作標準書、運転日誌など
- 保守作業者 : 故障履歴、機器図面、部品台帳など
(4) 「構造化ID」や「関係リンク」をユーザーがメンテナンスできるため、業務実態に合わせてシステムを継続的に更新することが可能です。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/04/0413.html

日立製作所について

日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。日立のウェブサイト https://www.hitachi.co.jp/

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