東京, 2023年12月20日 - (JCN Newswire) - 大阪大学(阪大)量子情報・量子生命研究センターの北川勝浩センター長(大学院基礎工学研究科 教授)、根来誠副センター長・准教授、理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センターの中村泰信センター長、産業技術総合研究所(産総研)先端半導体研究センター3D集積技術研究チームの菊地克弥研究チーム長、情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))超伝導ICT研究室の寺井弘高上席研究員、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 スタートアップ事業本部シニアスタートアップ機械学習・量子ソリューションアーキテクト 針原佳貴氏、株式会社イーツリーズ・ジャパンの三好健文取締役、富士通株式会社量子研究所の佐藤信太郎所長、日本電信電話株式会社(NTT)コンピュータ&データサイエンス研究所の徳永裕己特別研究員、キュエル株式会社の伊藤陽介代表取締役、株式会社QunaSysの菅野恵太CTO、株式会社セックの内田諒主任らの共同研究グループは、2023年12月22日より国産3号機となる超伝導量子コンピュータのクラウドサービスを開始します。

量子コンピュータでは多くの問題を従来のコンピュータよりも大幅に短い時間で解けることが分かっています。今回、大阪大学を中心とする共同研究グループは量子コンピュータを超伝導量子ビット(注1)により構築し、クラウド経由で利用できるサービスとして公開しました。これにより、研究者が遠隔地から量子アルゴリズム(注2)を実行したり、ソフトウェアの改良・動作確認をしたり、ユースケースを探索したりすることができる環境を実現しました。

今回の超伝導量子コンピュータ国産3号機では、理研から提供された64量子ビットチップを用いています。これは2023年3月27日にクラウド公開された理研の超伝導量子コンピュータ初号機のチップと同じ設計で製造されたものです(参考:https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2023/20230324_1)。当初、3号機には理研から提供された16量子ビットチップが装着されていましたが、11月3日に64量子ビットチップのインストールを行い、その作業状況を一般公開いたしました(図1、参考:https://www.osaka-u.ac.jp/ja/event/2023/11/10578)。また、3号機は、初号機で海外製の部品が使われていた箇所をできるだけ国産部品に置き換えており、「テストベッド」としての役割を果たしています。冷凍機以外の多くの部品を置き換えても十分高い量子ビット性能を引き出せることが確認されました。

また、今回公開する3号機では量子コンピュータの活用性を高めるため、制御装置やシステムを大きく改善しています。量子ビットを制御するためには、マイクロ波信号を送受信する「制御装置」が必要です。制御装置の設計・開発は、阪大とイーツリーズ・ジャパンが行いました。理研に設置されている初号機にも同設計の装置が用いられています。ユーザが作成したプログラムを実際の量子コンピュータで実行するには、量子ビットチップの制約などを考慮した変換処理を行って(トランスパイラ)から、計算を実行する必要があります。また、量子コンピュータをクラウドサービスとして公開し利用できるようにするには、ユーザ認証やジョブスケジューリング、実行結果を確認するインタフェースなども必要です。本共同研究グループは、量子コンピュータに必要な様々なレイヤのソフトウェアを開発し、量子コンピュータを研究室内部で利用する実験装置ではなく、システムとして外部へ提供できるようにしました。

今回のように、国産部品やソフトウェアを検証し、量子コンピュータの活用性を高めるために改善環境を構築したことは、今後の日本の量子コンピュータ開発の加速に大きく貢献するものであると期待しています。

URL https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/12/20.html



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