TOKYO, Nov 9, 2021 - (JCN Newswire) -  エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国イリノイ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen別ウィンドウで開きます試験)について、米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)の合意のもと、抗アミロイドβ(Aβ)治療薬による基礎療法を含めるように試験デザインが変更されたことをお知らせします。

本試験は、当初、タウ標的療法の効果を評価することとしていましたが、 Aβ標的療法によりアルツハイマー病(AD)のバイオマーカーが低下することを示す臨床試験のエビデンスが増えていることを受け、当社の抗Aβプロトフィブリル抗体レカネマブ(一般名、開発品コード:BAN2401)を抗Aβ療法による基礎療法とすることが決定されました。

ADを発症することが知られている遺伝子変異を有する方々は、多くは発症した親とほぼ同じ年齢である50代、40代、あるいは30代であっても症状を発現する傾向があります(優性遺伝アルツハイマー病:DIAD)。2021年3月に、DIAN-TU は当社が英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London)と共同で創製した抗MTBR(Microtubule binding region: 微小管結合領域)タウ抗体E2814(開発品コード)を本試験の最初の抗タウ治療薬候補として選定しました。

本試験の目的は、ADの原因となる遺伝子変異を有する症候性と無症候性の人々に対して、治験薬の安全性、忍容性、バイオマーカーおよび認知機能への効果を評価することです。本試験は、治験薬による治療が認知障害の進行を抑制するか、また疾患関連バイオマーカーを改善するかについて評価します。

今回の試験デザインの変更によって、症候性の被験者に対しては、レカネマブを6カ月間投与した後に、E2814またはプラセボ投与が追加されるようにランダムに割り当てられます。ADでは脳内でタウ蓄積に先立ってAβ蓄積が起こるため、この研究デザインにより、Aβの除去が抗タウ治療薬の最も効果的な薬効発揮につながるかどうかを評価することができます。一方、無症候性の被験者に対しては、抗タウ治療薬もしくはプラセボがランダムに割り当てられ、1年間の投与後に、両群にレカネマブ投与が追加されます。このように薬剤の投与時期をずらすことにより、2種類の薬剤の併用効果を評価する前に、抗タウ治療薬の単剤の効果を評価することができます。主要評価項目は、症候性の被験者に対するPETスキャンで観察される脳内タウ蓄積の抑制(E2814の上乗せ効果)であり、主要な副次評価項目は、無症候性の被験者の脳脊髄液(CSF)中の特定のタウであるp217tauに対する効果(E2814単剤ならびにレカネマブ併用の効果)です。試験開始から2年後の解析により、主要および副次評価項目が達成された場合、試験はさらに2年間継続され、薬剤が認知機能の低下に与える影響とタウの変化を評価します。

DIAN-TUのディレクター、治験責任医師でセントルイス・ワシントン大学医学部のCharles F. and Joanne Knight Distinguished Professor of NeurologyであるRandall J. Bateman, M.D.は、「Aβプラークの除去によりAβとタウに生物学的な有用性をもたらすというエビデンスが増えていることから、ADの病態であるAβとタウの神経原繊維変化の両方を同時に標的にすることで、試験成功の可能性が最も高くなると考えています」と述べています。

エーザイ ニューロロジービジネスグループのチーフクリニカルオフィサーであるLynn Kramer, M.D.は、「当社の抗MTBRタウ抗体E2814は、タウタンパク質を標的とするように設計されたDIAN-TUのTau NexGen別ウィンドウで開きます試験において最初の抗タウ治療薬として選択されました。脳内Aβプラークを取り除くことで認知機能低下を遅らせることを示唆するエビデンスが増えており、この深刻な疾患の治療への可能性が出てきています。このたび、当社が開発中の抗Aβプロトフィブリル抗体レカネマブが、本試験において抗Aβ治療薬の基礎療法として選択されたことをうれしく思います。臨床第Ⅱb相試験別ウィンドウで開きますでは、レカネマブ10 mg/kg biweekly投与において、漸増投与を必要とせず、早い段階から脳内Aβプラークを確実に除去し、早期ADの認知機能低下を抑制することが示唆されました。また、レカネマブの10 mg/kg biweekly投与による、アミロイド関連画像異常(ARIA-E:浮腫/浸出)の発現率は9.9%であり、そのうち症状を伴うものは2%未満でした」と述べています。

当社は、神経領域を重点領域の一つと位置づけ、最先端の研究から革新的な創薬を行っており、引き続きADを含む認知症をはじめとするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患において、当事者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

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概要:エーザイ株式会社

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