TOKYO, Sep 12, 2022 - (JCN Newswire) -  エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)と Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.(北米以外では MSD)は、このたび、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)と Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA の抗 PD-1 抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法と「レンビマ」単剤療法を比較評価した臨床第III相 LEAP-002 試験の結果について、2022 年 9 月 9 日から 13 日までフランス・パリおよびバーチャルで開催中の「欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)年次総会」の口頭発表セッション(proffered paper session)において、初めて発表したことをお知らせします(抄録番号:LBA34)。

本試験の最終解析では、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、主要評価項目の一つである全生存期間(Overall Survival: OS)において「レンビマ」単剤療法に対して改善傾向を示しましたが、事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした(ハザード比[Hazard Ratio: HR]=0.84[95% 信頼区間〔Confidence Interval: CI〕:0.71-1.00]; p=0.0227)。本併用療法の OS 中央値は、21.2 カ月(95% CI:19.0-23.6)であり、「レンビマ」単剤療法では 19.0 カ月(95% CI:17.2-21.7)でした。また、もう一つの主要評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)についても、本併用療法は「レンビマ」単剤療法に対して改善傾向を示しましたが、事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした(HR=0.87[95% CI:0.73-1.02]; p=0.0466) 。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA 研究開発本部グローバル臨床開発のバイスプレジデントである Gregory Lubiniecki 博士は、「LEAP-002 試験のデザインは、より多くの肝細胞がん患者さんの治療アウトカムをより一層改善するために標準療法を進化させるという我々の研究戦略を反映したものです。本試験において確認された 21.2 カ月という「キイトルーダ」と

「レンビマ」の併用療法における全生存期間の中央値は、本併用療法のポテンシャルの追求に向けた更なる研究への重要な知見となります」と述べています。

Eisai Inc. オンコロジー クリニカルリサーチ シニアバイスプレジデントである Corina Dutcus M.D.は、「LEAP-002試験の結果は、我々が期待しているものではありませんでしたが、本試験において、「レンビマ」単剤療法が、19.0 カ月という全生存期間中央値を示したことを重要と考えています。我々は、本試験から得られたデータにより、臨床プログラムにおける「レンビマ」と「キイトルーダ」との併用療法に対する理解を深めることができただけでなく、現在、日本、米国、欧州連合(EU)および中国を含む世界各国で承認され、肝細胞がんにおける治療選択肢となっている「レンビマ」単剤療法の新たな知見を医師の皆様に提供することができます」と述べています。

「レンビマ」単剤療法は、米国、EU および中国において、切除不能な肝細胞がんに対する一次治療の適応で承認されており、日本では、切除不能な肝細胞がんの適応で承認されています。これらの承認は、切除不能な肝細胞がんの一次治療として、ソラフェニブを対照として「レンビマ」単剤療法の有効性と安全性を評価した臨床第III相 REFLECT 試験の結果に基づいています。

本併用療法は、米国、EU および日本において進行性子宮内膜がん(日本においては子宮体がん)および進行性腎細胞がんに係る適応で承認を取得しています。両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がん、大腸がん、胃がん、食道がんを含む複数のがん種における 15 を超える臨床試験を実施中です。

LEAP-002 試験デザインおよび最終解析結果 (抄録番号:LBA34)

本試験(ClinicalTrials.gov, NCT03713593)は、切除不能な肝細胞がんの一次治療として、「レンビマ」単剤療法と比較して「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法を評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照の臨床第III相試験です。登録患者様は、「レンビマ」(12 mg [スクリーニング時の体重が 60kg 以上の場合]または 8 mg[スクリーニング時の体重が60kg 未満の場合]、1 日 1 回経口投与)と「キイトルーダ」(200 mg、3 週ごとに静脈内投与)との併用、もしくは「レンビマ」(12 mg [スクリーニング時の体重が 60kg 以上の場合]または8 mg[スクリーニング時の体重が 60kg 未満の場合]、1 日 1 回経口投与)とプラセボの生理食塩水(3 週ごとに静脈内投与)との併用に 1:1 で割り付けられました。「レンビマ」は、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで投与を継続しました。「キイトルーダ」/プラセボの投与は最大で 35 サイクルまで(約 2 年)としました。

2 つの主要評価項目(デュアルプライマリーエンドポイント)は、RECIST v1.1(1 つの臓器につき最大 5 病変、計 10 病変までの標的病変を追跡するように改変)に基づく盲検下独立中央画像判定による PFS および OS でした。重要な副次評価項目は、RECIST v1.1 に基づく盲検下独立中央画像判定による奏効率(Objective Response Rate: ORR)でした。本試験では、2 回の中間解析および最終解析が行われました。事前に設定された有効性の統計学的有意性の基準は、PFS については、1 回目の中間解析における片側検定で p=0.002 であり、OS については、最終解析における片側検定で p=0.0185 でした。

最終解析のデータカットオフ時点(2022 年 6 月 21 日)で、794 名の被検者様が登録され、治験薬の投与を受けました。フォローアップ期間の中央値は 32.1 カ月(範囲、25.8-41.1 カ月)でした。534 名で OS イベントが発生し、治験薬投与継続中の症例は、本併用療法群では 36 名(9.1%)、「レンビマ」単剤療法群では 24 名(6.1%)でした。

OS 中央値は、最終解析において、本併用療法群は 21.2 カ月(95% CI:19.0-23.6)、「レンビマ」単剤療法は 19.0 カ月(95% CI:17.2-21.7)でした。PFS 中央値は、1 回目の中間解析において、本併用療法群 8.2 カ月(95%CI:6.4-8.4)、「レンビマ」単剤療法群 8.0 カ月(95%CI:6.3-8.2)であり、最終解析においては、本併用療法群 8.2 カ月(95%CI:6.3-8.3)、「レンビマ」単剤療法群 8.1 カ月(95%CI:6.3-8.3)でした。最終解析において、ORRは、本併用療法群 26.1%(95%CI:21.8-30.7)、「レンビマ」単剤療法群 17.5%(95%CI:13.9-21.6)でした。最終解析において、奏効期間の中央値は本併用療法群 16.6 カ月(範囲、2.0+-33.6+)、「レンビマ」単剤療法群 10.4 カ月(範囲、1.9-35.1+)でした。

本併用療法の安全性プロファイルは、これまでに本併用療法について報告されているデータと同様でした。グレード 3 から4の治療関連有害事象(Treatment-related adverse events: TRAEs)の発現率は、本併用療法群の 61.5%であったのに対し、「レンビマ」単剤療法群では56.7%でした。グレード 5 の TRAEs は、本併用療法群では 1.0%で、「レンビマ」単剤療法群では 0.8%でした。全グレードにおける最も頻度の高い TRAEs(上位 5 つ)は、本併用療法群では高血圧(43.3%)、下痢(40.3%)、甲状腺機能低下症(40.0%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(33.2%)および蛋白尿(30.6%)であり、「レンビマ」単剤療法群では高血圧(46.8%)、甲状腺機能低下症(35.7%)、蛋白尿(34.9%)、下痢(33.9%)および手掌・足底発赤知覚不全症候群(30.6%)でした。後治療として抗がん剤の投与を受けたのは、本併用療法群では 44.1%、「レンビマ」単剤療法群では 52.1%でした。

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概要:エーザイ株式会社

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