TOKYO, Jul 7, 2023 - (JCN Newswire) -  エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、米国食品医薬品局(FDA)が「LEQEMBI(R)」注射100 mg/mL溶液(一般名:レカネマブ)について、フル承認に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)を承認したことをお知らせします。

「LEQEMBI」は、アルツハイマー病(AD)の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを示し、フル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬となります。「LEQEMBI」は、多様な人種・民族、併存疾患や併用治療薬、ADによる軽度認知障害(MCI)と軽度ADなど米国メディケア受給者に一般化可能な集団において、臨床的に意義のある認知・機能低下の抑制を実証しました。「LEQEMBI」による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度AD(総称して早期AD)の当事者様において開始する必要があります。

「LEQEMBI」のフル承認は、エーザイの大規模グローバル臨床第Ⅲ相検証試験であるClarity AD試験のデータに基づいており、「LEQEMBI」は主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成しました。主要評価項目は、全般臨床症状の評価指標であるCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)であり、「LEQEMBI」はCDR-SBにおける18カ月時点の臨床症状の悪化をプラセボと比較して27%抑制しました。また、副次評価項目の一つである、衣服の着脱、食事、地域活動への参加など当事者様が自立して生活する能力を介護者が評価する、AD Cooperative StudyActivities of Daily Living Scale for Mild Cognitive Impairment(ADCS MCI-ADL)においては、統計学的に有意かつ37%のベネフィットが認められました。本試験の結果は、2022年11月29日に、アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)にて発表され、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineに掲載されました。

また、「LEQEMBI」のFDAフル承認を受け、メディケア&メディケイド・サービスセンター(CMS)は、本剤に対する幅広いメディケアでの保険適用が可能となったことに加え、簡便なデータ提出プロセスを含む、レジストリの詳細について発表しました。医療従事者が必要なデータを提出するためのCMSが運営するレジストリが利用可能となりました。エーザイは、メディケアが適切な当事者様に対してこの重要な治療法を保険適用することを歓迎します。これにより、米国における幅広い医療環境下において「LEQEMBI」の保険償還とアクセスが進展すると考えられます。

エーザイのCEOである内藤晴夫は「このたび、「LEQEMBI」が、ADの進行を抑制し日常生活機能を維持することが示された治療薬として、世界で初めてFDAからフル承認されました。約40年にわたるエーザイのAD研究の成果が認められ、米国の当事者様にお届けすることができることは、研究開発を中心とするhhc(human health care)企業として誇りとするところです。ADは進行性の重篤な疾患であり、当事者様だけでなく、その大切な方々、ケアパートナー、そして社会にも大きな影響を及ぼします。ADによる軽度認知障害や軽度ADはより早期の段階で治療することにより、より大きなベネフィットを得られる可能性があります。エーザイは、「LEQEMBI」への広範でシンプルなアクセス環境を構築し、当事者様へ早期段階で診断と治療を提供できるよう努めるとともに、添付文書に基づく安全で適正な使用を推進し、早期AD当事者様とそのご家族のベネフィットの最大化をはかってまいります」と述べています。

バイオジェンの社長兼CEOであるChristopher A. Viehbacherは「本日、AD治療における画期的な進展があり、以前は治療が難しいと思われていたこの疾患に対する治療の新しい時代を切り開く最前線に立てたことを誇りに思います。この困難な疾患に対する治療法を見つけるために、長年努力を続けてこられた方々に心から感謝します。エーザイと協力し、対象となる患者さんが一刻も早く「LEQEMBI」にアクセスできるよう尽力してまいります」と述べています。

「LEQEMBI」は、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル*)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。「LEQEMBI」は、この進行性の慢性疾患を治療するために、継続的に蓄積される最も神経毒性の高いAβ(Aβプロトフィブリル)をターゲットとして除去し、既存のプラークを除去します。2023年6月、FDAの 末梢・中枢神経系薬物諮問委員会(PCNS)は、臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験の結果が、本剤の臨床上のベネフィットを示すエビデンスであることを全会一致で支持しました。また、本諮問委員会は「LEQEMBI」のベネフィット・リスクを総合的に確認しました。2023年1月6日にFDAより迅速承認を取得しています。

エーザイは、実臨床におけるARIAの管理とモニタリングを推進する目的で、ADヘルスケアコミュニティに対する多面的な教育イニシアチブとして、「Understanding ARIA(TM)」を開発し、展開しています。このイニシアチブは、医療用画像分野の専門家や主要な専門学会との協力のもと、受講者同士によるトレーニング、個人およびグループトレーニング、専門家による症例検討などの教材とプログラムを提供しています。

エーザイは、「LEQEMBI」の適用となる当事者様が本剤の治療を受けられるように尽力しており、経済的な必要性とその他のプログラム基準を満たす、メディケア受給者を含む保険未加入あるいは低額保険者補償の当事者様に「LEQEMBI」を無償で提供するPatient Assistance Programを設けています。さらに、エーザイは、LEQEMBI Patient Navigatorsを通じて、アクセス向上のための当事者様サポートを提供しています。同ナビゲーターは、「LEQEMBI」へのアクセスに関する情報の提供、当事者様とそのご家族の保険適用と選択肢に関する理解の支援、適格な当事者様のための財政支援プログラムの特定を行います。米国の方は、詳しくはLEQEMBI.comをご覧いただくか、電話:1-833-453-7362(月~金、東部時間午前8時~午後8時)またはファックス(1-833-770-7017)にてお問い合わせください。

レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
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概要:エーザイ株式会社

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