TOKYO, Nov 1, 2021 - (JCN Newswire) -  エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤 晴夫、以下 エーザイ)と株式会社 PRISM BioLab(本社:神奈川県、代表取締役:竹原 大、以下 PRISM)は、このたび、両社が共同で創製した中分子化合物である CREB-binding protein(CBP)/β-catenin 阻害剤 E7386 について、臨床における POC(Proof of Concept:創薬概念の検証)を達成したことをお知らせします。E7386 については、エーザイが、単剤による固形がんを対象とした臨床第Ⅰ相試験、およびエーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤レンバチニブメシル酸塩(製品名:「レンビマ(R)」、以下レンバチニブ)との併用療法による肝細胞がんを含む固形がんを対象とした臨床第Ⅰb 相試験を実施中です。今回の POC 達成は、両社間の契約に定めたクライテリアに従って、上記の臨床試験における抗腫瘍効果やバイオマーカーの変動等のデータに基づき確認されました。

E7386 のターゲットであるβ-catenin は、創薬への展開が特に難しい標的分子(Undruggable target)の一つとされています。同じく E7386 のターゲットである CBP とともに Wnt シグナルの下流に位置し、Wntシグナル転写活性を制御します。E7386 は、CBP とβ-catenin のタンパク質–タンパク質相互作用を阻害し、Wnt シグナルに依存した遺伝子発現を調節する CBP/β-catenin 阻害剤であり、Wnt シグナルに依存した腫瘍増殖を抑制することが期待されます 1。また、E7386 は、Wnt シグナル活性化による腫瘍浸潤T 細胞の抑制を解除することも期待され、免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強する可能性があります1。担がんマウスモデルにおいては、E7386単剤およびE7386 と抗PD-1抗体との併用による抗腫瘍効果が確認されています1。

本 POC 達成を受けて、エーザイは、E7386 と抗 PD-1 抗体ペムブロリズマブの併用療法を固形がんにおいて評価する臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験(201 試験)を日本で開始しました*。

エーザイ株式会社の常務執行役 オンコロジービジネスグループ プレジデントである大和隆志博士は、「POC を達成したことで、E7386 をがん治療薬として患者様にお届けできる可能性に自信を深めています。E7386 は、レンバチニブやペムブロリズマブと併用することにより、それらの治療抵抗性を克服できる可能性があります。E7386 とレンバチニブ併用療法あるいはペムブロリズマブ併用療法の臨床試験を加速し、アンメット・メディカル・ニーズの高いがんへの新たな治療法創出をめざして全力を尽くします」と述べています。

株式会社 PRISM BioLab の代表取締役である竹原大は、「E7386 の臨床試験における POC が認められたことで、これまで困難とされてきた創薬標的に対して PRISM の創薬基盤が有効な手法となることが実証されました。この開発を進めていただいているエーザイ株式会社に感謝するとともに、今後も多くの標的に対してチャレンジし、一人でも多くの患者様に新たな治療方法を提供することを目指してまいります」と述べています。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
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概要:エーザイ株式会社

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