TOKYO, Dec 16, 2022 - (JCN Newswire) -  三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG、社長:寺沢 賢二、本社:横浜市西区)は、英国の大手セメント会社であるハンソン・ユーケー社(Hanson UK)(注1)から、ウェールズ北東部フリントシャーに同社が保有するペイズウッドセメント工場(Padeswood Cement Works)向けCO2回収プラントに関する基本設計(Pre-FEED:Preliminary Front End Engineering Design)を受注しました。今回の受注は、カナダ・アルバータ州のリーハイセメント向け案件形成調査(注2)、株式会社トクヤマ向けCO2回収実証試験(注2)に続く、セメント工場向けCO2回収の取り組みとなります。

このプロジェクトは、現在稼働中のペイズウッドセメント工場にCO2回収プラントを追加設置することで年間80万トンのCO2を回収し、回収したCO2をイングランド北西の枯渇ガス田へ貯留する計画です。生産工程上CO2削減が困難といわれるHard-to-Abate分野であるセメント業界での脱炭素化を促進する取り組みで、英国セメント業界でのCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)導入は初となります。MHIENGは今回、関西電力株式会社と共同開発したCO2回収技術「Advanced KM CDR Process(TM)」を適用したCO2回収プラントの基本設計を担い、プロジェクトの実現を支援します。

英国政府は2050年までのCO2排出量ネットゼロを掲げており、CO2の回収から輸送、貯留までを工業地帯ごとに一貫して実施する目的で、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)クラスターの構築をはじめとするインフラ整備を進めています。2021年10月には、HynetとEast Coastの2つのCCUSクラスターが英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(Department for Business, Energy and Industrial Strategy:BEIS)によってTrack 1のCCUSクラスターとして選定されました。今回のプロジェクトは、Hynet CCUS クラスター案件の最終候補の1つとして2022年8月に選定され、2027年のCO2回収プラント運転開始を目指しています。

MHIENGは、従来の火力発電所や化学プラントに加え、バイオマス発電所、製鉄プラント、廃棄物焼却設備、ガスエンジン、船舶など、国内外のさまざまな産業分野へのCO2回収技術適用を進めています。また三菱重工グループでは、エナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでおり、CO2エコシステムの構築はその中の柱の一つです。今後も、高性能なCO2回収技術のグローバル展開を通じ、脱炭素分野のリーディングカンパニーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献するとともに、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/22121502.html

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