Toyota City, Japan, Jan 17, 2023 - (JCN Newswire) -  サウジアラビアを舞台に16日間(初日のプロローグ含む)、総走行距離は8500kmを超え、激戦が繰り広げられてきた「世界一過酷なラリー」ダカールラリー2023がついにフィニッシュを迎えました。同大会にはTOYOTA GAZOO Racingから3台のGRダカールハイラックスT1+がワークスとして出場し、ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組が昨年大会に引き続き2連覇を成し遂げました。アル-アティヤ/ボーメル組はステージ3で首位に立ったあとは、一度もその座を譲ることなく、2位に1時間以上の差をつけての優勝を果たしました。

ベテランのジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組が4位、ダカールラリー3度目の挑戦であるヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組が5位に入り、TGRは参戦車3台がトップ5フィニッシュを果たす強さを見せました

【ステージ12】
1月13日(金)のステージ12は、マラソンステージの2日目。「エンプティ・クォーター」(空白地帯)と呼ばれるルブアルハリ砂漠を走り、シェイバーのビバーク地へと戻る、総走行距離376km、SS距離185kmのステージ。2日間にわたるマラソンステージを終えた各車両は、ようやくビバークでの整備、修理を受けられることとなりました。
総合首位を守るアル-アティヤ/ボーメル組にとって、このマラソンステージを無事に走り抜くことが、2連覇へ向けて大きな意味を持つこととなりました。慎重にベテランらしい走りを見せ、ノートラブルでこのステージを3位で走り抜いたアル-アティヤ/ボーメル組は、2位との差を1時間27分10秒へと拡大することに成功しました。
総合4位につけていたラテガン/カミングス組は、ステージ序盤の柔らかい砂地で横転。右リアのサスペンションとブレーキディスクにダメージを負ってしまいました。このため、リアブレーキ無しで走り続けることを強いられ、大きくタイムロス。ステージを首位から48分35秒遅れの28位でフィニッシュとなり、総合順位ではド・ヴィリエール/マーフィ組にかわされる形で5位に後退。総合では首位と2時間34分21秒送れ、4位のド・ヴィリエール/マーフィ組とは12分差となっています。
ラテガン/カミングス組は、ラリー終盤に入ってからのタイムロスに無念の意を表しながらも、アクシデントが起きても自分たちクルーを無事に守り、最後までステージを走り切ったGRダカールハイラックスT1+の耐久性を高く評価しました。
ド・ヴィリエール/マーフィ組はトラブル無くステージ12をトップから11分34秒遅れの9位で走り抜き、ラテガン/カミングス組をかわして総合4位に浮上しました。
このダカールラリーは世界ラリーレイド選手権(W2RC)の1戦としても争われており、昨年のチャンピオンであるアル-アティヤ/ボーメル組は今年もタイトル防衛を目指しています。W2RCではステージ勝利にもポイントがかけられていますが、アル-アティヤ/ボーメル組は、ステージ勝利数では目下ライバルの後塵を拝している状況です。それでも、ステージ12を終えた時点でトップとの差は9ポイントであり、総合優勝での大きなポイントも含め、激戦が続いています。

【ステージ13】
残すところ2ステージとなった1月14日(土)のステージ13は、総走行距離675km、SS距離は154kmと短いものの、柔らかい砂丘が広がる、予想以上に過酷なコースで、最後の最後まで気の抜けないステージとなりました。そんな中、TGRのGRダカールハイラックスT1+は3台共に堅実な走りで揃ってトップ10フィニッシュ。総合順位を守りました。
総合首位のアル-アティヤ/ボーメル組はペースをコントロールしながらも、首位と5分28秒差のステージ2位。総合では2位に1時間21分52秒差をつけ、最終ステージを残すのみとなりました。
前ステージで横転し、総合5位に後退したラテガン/カミングス組はこのステージ13で5位フィニッシュと好走。総合では4位に7分24秒差の5位となっています。
ド・ヴィリエール/マーフィ組はこのステージ、TGR勢では唯一トラブルに見舞われました。スタート直後に左フロントダンパーの不具合発生、ペースダウンを余儀なくされました。また、ステージ中盤では視界不良のために乗り物酔い症状となり、厳しい一日となってしまいました。それでもステージをトップから13分51秒遅れの10位でフィニッシュ。総合4位を守っています。

【ステージ14】
1月15日(日)のステージ14は、アル=フフーフからダンマームへ向かう、総走行距離417km、SS距離は136kmでラリーフィニッシュへ向けた最後の戦いが行われました。
最後のSSを走り終えた参加車両は、100kmほどのリエゾンを経て、サウジアラビア東海岸の都市ダンマームに設置されたフィニッシュポディアムへと向かいました。
1時間以上のマージンを持って首位でこの最終ステージに挑んだアル-アティヤ/ボーメル組は、首位から5分41秒遅れのステージ8位でフィニッシュ。この瞬間、アル-アティヤにとっては通算5度目、ボーメルにとっては4度目のダカールラリー総合優勝が決定しました。アル-アティヤ/ボーメル組は、ステージ3で総合首位に立った後、一度もその座を譲ることなく、2位に1時間20分49秒の差をつけて、昨年に続く2連覇を達成しました。このコンビによる、トヨタでの総合優勝は3度目。この勝利はまた、トヨタ車のさらなる品質、耐久性と信頼性を示すものとなりました。
ド・ヴィリエール/マーフィ組は総合4位でフィニッシュ。ド・ヴィリエールにとっては20回目のダカールラリー完走であり、2009年の優勝を含め、15回目のトップ5フィニッシュ、そして、トップ10圏外フィニッシュは1度のみと、ベテランらしい粘り強さを示す結果を今年も達成しました。
ダカールラリー3度目の挑戦となるラテガン/カミングス組にとっては、今年のダカールラリー2023は、悔しいレースとして長く記憶に残るものになるでしょう。一時は総合2位まで浮上するも、2度のトラブルで順位を落とすこととなりました。それでも4位と5分以内という僅差での総合5位。自身初のトップ5フィニッシュを果たし、今後の活躍に期待がかかる結果となりました。
ダカールラリー2023は、TGRワークスのGRダカールハイラックスT1+が1位、4位、5位という結果となりましたが、加えて、プライベート参戦のルーカス・モラエス/ティモ・ゴットシャルク組のGRダカールハイラックスT1+が総合3位に入り、トヨタ勢はトップ5のうち4台を占めるという好結果を残すこととなりました。今大会がダカール初挑戦だった、若きブラジル人ドライバーのモラエスは、経験豊富なコ・ドライバーのゴットシャルクと共に、見事な走りを見せました。
今大会ダカールラリー2023は、2シーズン目となる2023年世界ラリーレイド選手権(W2RC)の開幕戦でもあり、アル-アティヤ/ボーメル組は合計85ポイントを獲得しました。ステージごとの成績も加味されるW2RCは、2023年シーズンは全5戦で争われ、第1戦を終えた時点で、アル-アティヤ/ボーメル組は首位と2ポイント差の2位、マニュファクチャラー選手権でもTGRは1ポイント差の2位に付けています。次戦は2月の最終週に行われるアブダビデザートチャレンジです。

ダカールラリー2023最終結果(総合順位):
総合順位 ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) 首位との差
1位 #200 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing)
4位 #205 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) 2時間31分12秒差
5位 #217 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス
(トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) 2時間36分23秒差

ダカールラリー2023 フィニッシュ後のコメント:

トヨタ自動車(株) 代表取締役社長 豊田章男:

TOYOTA GAZOO Racingの3台のハイラックス、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーの2台、そして日野チームスガワラの“HINO600”、すべてが16日間のダカールラリーを走り切りました。6台のチームの皆さま、8500Kmの厳しい道をおつかれさまでした!ファンの皆さま、応援いただきありがとうございました!アル-アティヤ選手、ボーメル選手は、2年連続の総合優勝おめでとうございます!長く厳しいダカールの道では“乗りやすいクルマ”でないと勝つことができません。ダカールに挑み続けることでハイラックスは“もっといいクルマ”に鍛えられていきます。ハイラックスを鍛えてくれてありがとう!チームランドクルーザー・トヨタオートボデーの皆さん、市販車クラスV10おめでとうございます!バソ選手、ポラト選手、クラス優勝おめでとう!三浦選手、リシトロイシター選手は横転もあってV3ならず…。少し残念でしたが、ランクル300 GR-Sでの初ダカールを走り切ってくれてありがとうございました!横転したランクルを1日で修理したメカニックのみんなの頑張りにも感謝しています。メカニックのみんなも本当におつかれさまでした!横転の後、三浦選手から我々に届いたメッセージを、この場で紹介させてください。

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「三浦選手から届いたメッセージ」

ランクルはどこへでも行き、そして、帰って来られるクルマ…、まさに“そんなランクル”に助けられた前半戦でした。今年のダカールは本当に厳しく、全てが順調に進んでいるわけではありませんが、そんなラリーだからこそ、ランクル300を鍛えるためにふさわしい舞台になっていると思います。後半戦まだまだ難しいステージがありますが、ここまで来たら“とことん難しいステージ来い!”と思っています。そんなステージこそ、ランクル300のポテンシャルを発揮するチャンスだと僕たちは信じていますので、後半戦、改めて集中して挑みたいと思います。
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ランクル300(量産車)の開発ドライバーも務める三浦選手が、こんな気持ちでダカールに挑んでくれている…、ランクルはもっともっといいクルマになっていけると心から思えました。チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが、来年もっと安心して走れるよう我々トヨタ自動車も“もっといいクルマづくり”を続けます。チームランドクルーザー・トヨタオートボデーのみんなには
「来年も、もっと難しいステージ来い!」と思いながら、また次の挑戦に向かっていってほしいと思っています。V11そしてV12に向けて“一緒に”がんばりましょう!

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://toyotagazooracing.com/jp/dakar/release/2023/0116-01/

概要:トヨタ自動車株式会社

詳細は http://toyota.jp/ をご覧ください。

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